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「観客はスポンサー優先でいいのか」「納得感必要」、衆院厚労委でTansaの記事取り上げ審議

2021年06月09日15時52分 渡辺周

6月9日に開かれた衆議院厚生労働委員会で、立憲民主党の長妻昭議員が東京オリンピックの観客数問題で、Tansaの5月28日の報道を取り上げ、「観客数を絞った場合、スポンサーの客が優先され、一般客ははじかれることになる。そういう発想でいいのか」と政府に迫った。

長妻議員は、Tansaが報じた東京オリンピック・パラリンピック組織委員会とパートナー企業との4月28日の会議の内容を示しながら質問した。

「お客さんをフルで入れるという選択肢は組織委も持っていない。絞った場合、スポンサーを優先させる。スポンサーのお客さんを入れるために、(無観客ではなく)お客さんを入れる。一般の方がはじかれるということだが、そういう発想でいいのか」

「観客の目安は、(その会場の)50%か、2万人の少ない方ということになっている。6万人の新国立は6万人で半数が3万人だから、2万人」

「仮に2万人のお客さんが入ったとして、(すでにチケットを出している)スポンサーの客がかなり多くを占める」

「国民には、居酒屋を営業してもお酒は出さないでくださいとか、運動会はやめてくださいとか(求めておいて)、こういうことが成り立つのか」

答弁に立った政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長は、「五輪の開催時期も含め、緊急事態宣言を解除した後に感染拡大のプレッシャーがかかってくる」という認識を示すと共に、感染防止の上で「大事なこと」として、こう答えた。

「スタジアムに観客が出入りすることによる感染リスクと共に大事なのは、人々の納得感だと思っている。日本のほとんどの人は、観客を入れてもそこには行かない。そういう人たちにこの時期に一定程度の感染対策をお願いすることになる。そういう人たちに納得してもらえるような、スタジアムの中の景色が大事だと思う」

無観客を含めた観客のあり方については、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)、組織委、東京都、日本政府による「5者協議」で6月中に決まる。

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