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インドネシア西ジャワ州のチレボン石炭火力発電所2号機建設に絡む汚職事件に関して、同発電所建設事業に反対している地元の住民グループ「ラペル(Rapel Cirebon)」が、政府100%出資の公的銀行である国際協力銀行(JBIC)の前田匡史総裁あてに、2号機への融資を中止するよう求める書簡を提出した。書簡では「贈収賄事件が公に明るみとなった今、2号機に対するいかなる支援も停止しなくてはならないと考えています」としている。
「生活の困窮、雇用めぐる争いも」
書簡は2020年1月7日付。「ラペル」を支援している国際環境NGO・FoE Japanが同14日にJBICに提出し、15日にプレスリリースを出した。
書簡で住民側は、2号機の建設に伴って、漁民らの生活が苦しくなり、2号機の建設労働など、別の仕事に依存せざるを得なくなっている状況をつづった。その結果、住民間で雇用をめぐる争いも起きているという。住民側は「私たちの環境や社会文化を破壊してきたことに対する責任を取るべきだ」と、JBICの姿勢を批判した。
2号機建設を巡っては、インドネシアの独立捜査機関、汚職撲滅委員会(KPK)が現代建設ゼネラル・マネジャーのヘリー・チョン容疑者(60)を贈賄側の容疑者として認定したと発表した。汚職撲滅委員会によると、チョン容疑者は同州チレボン県のスンジャヤ・プルワディサストゥラ前知事に対して60憶4,000万ルピア(約4,670万円、1ルピア=0.0077円)を渡した疑いがあるという。
書簡を受け取ったJBIC報道課の報道担当はワセダクロニクルの取材に対して「まずはしっかりと中身を拝読したい」と述べた。
- ワセダクロニクルは、チレボン石炭火力発電所をめぐる問題を、韓国の独立メディア・ニュース打破(KCIJ Newstapa)とインドネシアの有力誌テンポ(Tempo)と共同で取材しています。
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