東京大学病院循環器内科(小室一成教授)で、最新の心臓カテーテル治療を受けた41歳の男性が16日後の今年10月7日に死亡した問題を受けて、厚生労働省は6日、東大病院への聞き取り調査を行う意向を示した。
同日行われた参院厚生労働委員会で、大口善徳副大臣と吉田学医政局長が足立信也委員(国民民主・新緑風会)の質問に答えた。
足立委員は報道された記事の内容を元に「治療法の適応そのものがまず間違っている」「合併症に気づけなかった」「(患者や家族にきちんと)説明をしていない」などと指摘し、「とんでもない事案だと私は思っています」と述べた。
続いて足立委員は「院内調査もやられていないような気が私はします。厚生労働省にはこういう事案があったと報告はあるんですか」と質問。吉田医政局長は「本報道を受けまして現在、東京大学医学部附属病院から聞き取りを予定させていただいておりまして、そこから事実の把握につとめたいと考えてございます」と回答した。聞き取りの時期については「本件につきましては、聞き取りに向けて先方に対してお願いをしております。定期の報告とは別に事案についての聞き取りを予定しています」とした。
足立委員は「この報道が事実だとすると完全に隠蔽ですよ」「逃げる、隠す、ごまかすですよ。これはひどい」「東大がもし対処を誤ったら特定機能病院の指定の取り消しまでいくようなことだ」などと追及。これを受けて、大口副大臣は「まずは聞き取りを行い、事実関係の確認に努めてまいりたいと思います。一般論として、必要があれば医療法に基づく立ち入り検査を行い、法令上の手続きの不備が確認されれば改善するように指導を行うことになります」と回答した。
吉田医政局長は「厚生労働大臣が特定機能病院の承認を取り消すことができる規定になっておりますので、一般論として申し上げれば、まず必要があれば医療法に基づく立ち入り検査、そして改善指導というプロセスを踏んだうえで、特定機能病院として望ましいものかどうか判断させていただくことになると思います」との見解を示した。
関係者へのインタビューは以下の動画からご覧いただけます。
【動画】東大病院の循環器内科のトップ、小室一成教授へのインタビュー
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