ワセクロの五感

いじめられる側に立つ(7)

2020年04月28日14時32分 Tansa編集部

写真は、ワセダクロニクルのウェブサイトが公開された直後に撮ったものです。2017年2月1日午前7時。暖房が効いていない当時の事務所内は真冬の寒さです。「じゃあ、公開するよ」。創刊特集「買われた記事」が世に出た瞬間でした。

「調査報道(探査報道)に特化した組織を立ち上げる。一緒にやりませんか?」。ワセクロ立ち上げの1年ほど前に、渡辺編集長らから声がかかりました。米国の「プロパブリカ」、韓国の「ニュース・タパ」など海外の組織がモデルといいます。日本では初めての試みです。ワクワクしました。「やります」と即答しました。

そこから4年が経ちました。「買われた記事」「強制不妊」「監視社会ニッポン」・・・。今回、これまでの記事を見返していました。抜けている分野がありました。それは私の最も関心のある分野です。労働問題――。

警察庁発表の「平成27年中における自殺の状況」という資料が手元にあります。同年の自殺者は2万4025人。40歳代の自殺が4069人と最も多く、「勤務問題」で自殺したのが578人です。このうち、いくつがニュースになっているのでしょう。

クラスでいじめられている子がいる。いじめっ子が怖くてみんな見て見ぬふり。このときに助けるのがジャーナリズムです。

泣いている人が職場にいませんか。ひとりぼっちで苦しんでいる人はいませんか。一緒に助けませんか。

リサーチャー ロベルト

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